2024年9月、フランス・パリ、ベルギー・ブリュッセルを8泊10日で視察しました。その時の様子をレポートします。

パリ|ウォーカブルシティ

パリでは、歩きたくなる町、自転車専用道路、水辺や広場の整備など、ウォーカブルシティなど、15分都市構想を視察しました。

パリ市内はほぼ、シェアサイクルを利用し、周った場所はこちら。

モンマルトル周辺→オペラ座~ルーブル美術館周辺→シテ島・ノートルダム大聖堂周辺→パスティーユ広場→エッフェル塔周辺→凱旋門~シャンゼリゼ大通り周辺

シェアサイクルは市が運営しているヴェリブ(Velib)を利用。
フランス観光開発機構公式サイト「ヴェリブ」
https://www.france.fr/ja/article/24124/#-2

アプリで利用ができ、パリ市内にたくさんある自転車駐輪場「ステーション」から自転車をレンタルできます。アプリからステーションの場所と、利用可能台数がすぐに分かり、便利。値段も比較的安価で、海外旅行客にも使いやすいとのこと。

ただ、悲しきかな、私達が使うと、決済トラブル、電動自転車がない、ステーションが満室で、停止場所がないなど、振り回されっぱなしでした。結局、最後はLimeというシェアサイクルに落ち着きました。ユーロ支払いがなんともお高いこと。。。(とほほ)

今回、パリを訪れるにあたり、「フランスのウォーカブルシティ 歩きたくなる都市デザイン」ヴァンソン藤井由実著の本を参考にさせていただきました。

パリ散策サイクリング

パリの自転車道は、車道、歩道と完全に区切られていて、道幅も十分にあり、パリっ子はビュンビュンとスピードを出して走っていました。
特にコンコルド広場~バスティーユ広場を東西に結ぶリヴォリ通りは、車道をつぶして作った双方向・2車線の自転車道路。町中をサイクリングするだけで、うつくしい建物を横目に、大通りの真ん中を走る開放感が、とっても気持ちよかったです。

深呼吸するパリを体験

パリ市では15分都市構想とその施策の中に、安全な歩行環境の整備を目的として、「深呼吸するパリ」プロジェクトがあり、道路整備の再分配、広場の整備、街路の緑化等を行っています。それらの場所にいくつか訪れたので、ご紹介します。

バスティーユから体験するパリの広場

パリでは広場や水辺など歩行空間の整備。
かつて車のロータリー化としていたバスティーユは、広場プロジェクトで整備されました。

バスティーユ広場といっしょに、レパブリック広場、パンテオン広場は歴史遺産物としての価値を再認識できるように整備され、イタリア広場、ガンベッタ広場、マドレーヌ広場、フェット広場では住民が集まれる場所へと転用されています。

写真はバスティーユ広場。かつてロータリーだった頃を知るものは、驚きの変化だったようです。子どもから大人まで、のんびりと過ごす姿が印象的でした。

セーヌ川沿いで過ごす時間

パリと言えば、セーヌ川の風景がおなじみですよね。
セーヌ川沿いはサイクリングしても気持ちいいし、川沿いの石畳を散策しても楽しい場所でした。長い遊歩道の川側には柵がなく、水辺との距離が近いため、開放的な気分が味わえます。

こちらはパリ19区サン・マルタン運河の夜の様子。観光地ではないですが、下町として「アメリ」や「北ホテル」のロケ地になった場所です。若いパリッ子たちが、川辺に座っておしゃべりしていました。京都の鴨川みたいな感じでしょうか。

パリ19区では建築を学んでいるポール君にご案内頂きました!地元のおいしいレストランでたのしいひとときを過ごしました♪

鉄橋をリノベーションした公園

プロムナード・プランテは鉄橋跡地を活用した公園。元フランス鉄道のインフラ跡地を活用した場所で、高架遊歩道と整備された71のアーケードにはおしゃれなアトリエ・ブティックが並び「芸術の高架橋」と呼ばれています。公園全体は完全な歩行者専用で、全長5.8km。プロムナード・ブランテ(植栽した散歩道)の名にふさわしく、四季折々の花がガーデニングされています。

ここでも腰を掛けておしゃべりする人の姿がありました。パスティーユ広場からヴァンセの森まで続くウォーキングコースにもなっています。

ほかにもパリには、ちょっとしたベンチや公園がたくさんあり、芝生の上で寝そべったり、おしゃべりしたり、ピクニックしたり、思い思いに過ごす姿が印象的でした。

まちの景色をつくるオープンテラス、パークレット

パリではオープンテラスやパークレットを活用した店舗が多く、歩行者道では色鮮やかなテラス席がとっても魅力的でした。また車の侵入を制限するポラードで区切られた空間では、ショップが立ち並び、たのしげな通り。

パリはひとまず、ここまで。のこりはフォトギャラリーでご紹介します。
次はお隣の国、ベルギー・ブリュッセルへ。

ブリュッセル|住民参加の機運

EUの中心都市となっているベルギーのブリュッセルでは、住民参加のプロジェクト事例等、たくさんの場所を視察しました。

今回ブリュッセルの視察に、大阪公立大学の武田さん、株式会社ワイキューブ・ラボの杉本さんにお世話になりました(娘さんも!)。本当にありがとうございました。

世界一美しい広場

ブリュッセルの中心地にあるグラン・プラスは、フランスの詩人、ヴィクトル・ユーゴーが「世界で最も美しい広場」と言ったとか。1998年にはユネスコの世界文化遺産に登録されています。ブリュッセルに来たら、まずはここ。
広場の周りには、ゴシック様式やバロック様式の歴史的建物に囲まれていて、重要建築物に指定されています。広場では普段からイベントが開催され、観光客だけでなく、地元の人にも親しみのある場所になっています。

ブリュッセルのリノベーション施設

ブリュッセルでリノベーションした施設をいくつか訪問しました。

市場をリノベーションした文化センター

サン=ジェリーホールは1891年にできた屋内市場を利用した文化センターです。赤いレンガ造りの建物にで、展覧会やイベント、カフェ・バーがあり、観光客や地元の人で賑わう場所だそう。
グラン・プラスからも徒歩圏内とのことで、ご案内いただきました。訪れたときはちょうど、展覧会が開催されていていました。

駅をリノベーションした商業施設

旧ガル・マリタイム駅をリノベーションした施設。もともとは20世紀初頭に建設されたヨーロッパ最大の旧駅舎だったそうです。いたるところに、当時も資材が利用されていて、駅舎の中に大通りや庭園、広場という「まち」の構造を作り出しているそうです。
建物の中央スペースは、パブリックイベントのために開放されていて、立ち寄ったときは、おしゃれなマーケットが開催されていました。お土産の半分ははここから調達。

ブリュッセルの住民参加型プロジェクト

ブリュッセルには住民参加してまちづくりを行う仕組みがあり、その中に住民が予算の使い道を提案しあう制度があります。参加型予算編成(Participatory Budgeting:PB)というモデルで、立ち上がったプロジェクトを、いくつか見学させていただきました。

モレンウェストスクエア

空きスペースにできた仮説遊び場。子どもや若者向けのアクティビティができる場所になっています。巨大な遊具やDIYができる部屋もあり、楽しげな雰囲気。

ブリュッセルのポケットパーク(パークファーム)

ブリュッセルには住民主導で管理してる小さな公園(ポケットパーク)が、たくさんあります。今回訪れたパークもそのひとつで、コミュニティガーデンと、農園で取れた作物の販売とそれらを使ったカフェメニューを提供しています。住民参加から始まったプロジェクトは、収益性など継続性が課題になるそうですが、こちらはうまくいっている事例だそう。
ブリュッセル市内を自転車に乗って気軽に来れる場所なので、サイクリングも多かったです。

3つのエリアにわかれた公園

こちらの高低差のある公園は、住民と話し合った結果、3つのエリアに整備されています。写真ではうまく伝わらないのですが、ベンチエリア、芝生エリア、たしかバスケットゴールエリアに分かれていました。

運河沿いのスケボー広場

ブリュッセル運河沿いに作られた公園。若者が集うスケボーと自転車の広場になっています。カラフルなストリートアートが特徴で、写真の通り、若者のたまり場。活気がありました。

ほかにも、公園や施設などさまざま視察させていただきました。

ブリュッセルのカーフリーディ!

私達がブリュッセルに滞在した時、偶然にも年に一度のカーフリーデーが開催されていました!
Car-Free sunday(略してカーフリーデー)は自動車が原則禁止で、公共交通機関が無料になるイベントです。車を使わないことで、交通や環境、都市生活を考える日として開催されました。各地でイベントが開催され、道路を利用した子ども向けイベントや、モビリティ展示など、徒歩や自転車で楽しむ機会がたくさん。

ブリュッセル全域で開催された規模感、イベントの多発性や大胆な道路の使い方など、学ぶことがたくさんありました。なにより公共機関が無料ってうれしい!外出が増えちゃますね。

ベルギーのアールヌーヴォ&デコ建築を散策

ベルギーはアールヌーヴォ&デコな建築たくさんあると聞き、見学。住宅街にしれっと並んでいるのがすごいですね。ほかにもまちには古い建物と新しい建物が入り乱れ、パリとは違った独特の雰囲気がありました。

コスモポリタンなブリュッセル

国際的な都市であるブリュッセルは約180以上の国から人が集まり、100以上の言語が話されていると言われてます。マーケットでは安価で生活用品が販売され、さまざまな人種の方が集まっていました。この安価で生活用品が手に入るマーケットは、移民支援のひとつになっています。

ベルギーはパリと違って、中心市街地が比較的安価で住みやすく、郊外に行くほど高級住宅地となっています。マーケットではたくさんの地元民、多様な人種の方が行き交っていました。

ベルギーも伝えたいことがたくさんありますが、紙面の関係上、割愛。あとはフォトギャラリーで。
さいごはベルギービールでみんなでお疲れさま。武田さん、杉本さん、有意義なひとときをありがとうございました!

フランスのフォトギャラリー

ベルギーのフォトギャラリー